眼科医療機器生産販売自主統計

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医療機器の生産・輸出・輸入金額動向 [1]

 薬事工業生産動態統計(厚生労働省)によれば、2021年におけるわが国の医療機器の生産金額は全体で2兆6,019億円、眼科関連機器・製品は1,552億円である。次図は直近5か年の推移を表しており、全体は2017年比130.7%、前年比107.2%、眼科関連は2017年比109.3%、前年比107.3%であった。

 全体、眼科関連ともにコロナ禍が始まった前年からは反転しているが、コロナ前の2019年と比較すると全体では101.3%であったのに対し、眼科関連は95.3%と回復できていない。

 また、輸出金額は全体で約1兆円であり、2017年比は162.0%と引き続き上回ったが前年比は101.2%とほぼ横ばいであった。眼科関連は565億円であり、2017年比136.2%、前年比130.5%と大きく増加した。ただし、全体に占める割合は5.6%と大きな変化はない。

 輸入金額は全体では2兆8,151億円であり、2017年比170.7%であった。眼科関連は3,069億円で、2017年比は106.0%と全体から大きく乖離している。眼科関連が全体に占める割合は10.9%と輸出金額よりは大きいが、2017年の17.6%からは大幅に縮小している。

[1] 本項では薬事工業生産動態統計における眼科関連品目全体について眼科関連機器・製品として集計している。薬事工業生産動態統計は2019年から調査方法や報告品目などを変更しているため、それ以前との比較には注意を要するが、本紙における報告態様の一貫性を保持するとの観点から本項の記載は従来の体裁を踏襲している点留意頂きたい。

出所:薬事工業生産動態統計年報(厚生労働省)

 

眼科医療機器生産販売自主統計

 日本眼科医療機器協会が実施している眼科医療機器生産販売自主統計(以下、自主統計)によれば、2022年販売実績総額は836.3億円である。次図は直近5か年の推移を表しており、2020年には新型コロナウイルス感染症によるパンデミックの影響で637.1億円とその前年(2019年)から14.9%の減少となったが、翌2021年には、依然影響を受けながらも診療状況の改善に伴い前年比114.0%と反転。2022年には前年比115.2%とさらに拡大し、コロナ禍前(2019年)を上回るレベルへの回復をみせている。

 2022年の13大分類眼科医療機器の販売金額構成をみると、「手術治療用器械装置」が34.6%と全体の3分の1強を占め、引き続きトップに位置しており、これに「眼底検査器械」13.6%、「鋼製小物及び手術用器具」11.2%が続いている。コロナ禍からの回復局面において、白内障手術始め高齢化社会における治療ニーズへの対応という点でこれら上位機器群の中でも「手術治療用器械装置」、「鋼製小物及び手術用具」などは市場での存在感を増している。

 また、2022年の中分類品目別販売実績をみても、「白内障手術装置・硝子体手術装置及び部材」が大きな割合を占めていて、以下、「OCT・SLO」、「鋼製小物その他」、「画像ファイリング装置・電子カルテシステム」、「レーザ手術装置」などが続いており、手術用関連の機器・部材に加え、診断等手術向け以外の品目群も引き続き市場の牽引役を構成している。

 なお、一定の販売実績を有する品目で2018~2022年で最も伸長したのは「OCT・SLO」であった。

 

 

 

眼内レンズ(国内)出荷推移

 日本眼科医療機器協会眼内レンズ部会が実施している眼内レンズ売上枚数自主統計(以下、自主統計)では、2022年販売総枚数は178万9,620枚である。高齢者人口の急増(1996年から2021年で1.9倍)を主な要因とし、軟性素材によるフォールダブルレンズが発売された1997年から2.78倍の規模へと拡大している。また、フォールダブルレンズや挿入器の登場と手術機械の進化、それらを活用する技術の向上により、多くの患者が安全で侵襲の少ない手術を適切な段階で受けられるようになったこともそうした傾向を後押ししてきた。次図は眼内レンズ販売実績の直近5か年の推移を表しており2018年に対しては108.1%と増加しているが、コロナ禍により大きく落ち込んだ2020年以降回復基調とは言え、2019年水準までには戻っていない。回復状況を他の統計と比較すると、医療機器全体>眼科関連機器全体>眼内レンズと言うことができる。

 なお、この自主統計は市場の状況に合わせて区分を設定しており、乱視用のトーリックレンズ(単焦点)、その他の単焦点レンズ、トーリックレンズ(多焦点)、その他の多焦点レンズ※に分けて集計している。単焦点レンズにおけるトーリックレンズの割合は、2018年以降6.2%、7.0%、8.1%、8.6%、9.4%と増加傾向が続いている。

 また、全体における多焦点レンズの割合は5.9%、多焦点レンズにおけるトーリックレンズ(多焦点)の割合は23.7%であった。

※診療報酬の区分に関わらず、多焦点として国内承認を受けた眼内レンズ。2018年の第3四半期より追加され、2022年第2四半期よりトーリックレンズ(多焦点)とその他の多焦点レンズに細分化された。