2020年度 学会併設器械展示活動リポート

展示会委員会 委員長
 榎本 隆則

 2020年は全世界に被害をもたらした新型コロナウイルス感染症の影響を受けて日本の眼科学会の殆どが延期、Web開催、又はハイブリッド開催という過去に経験の無い形式で開催されました。協会が関わる学会は4学会ですが、やはりこれらの展示会の形式も変更を余儀なくされ、Web展示会を初めて開催するなど、多くの新しい事を経験した年となりました。

第124回日本眼科学会総会

総会長: 東京医科大学 後藤 浩 教授
会場: 東京国際フォーラム  ⇒ Web開催に変更
会期: 4月16日~19日(当初の予定)⇒ 4月27日~5月18日(Web開催)
出展:  出展社数85社、出展小間数671小間⇒Web展示会に変更

 日本眼科学会総会の展示会は過去最多の出展小間数で、開催準備も順調に進んでいた3月中旬、新型コロナウイルス感染症の勢いは都市部を中心として国内に広がりを見せ、罹患者数が毎日増え続けるようになりました。3月13日の日本眼科学会理事会では第124回総会をWeb開催とする事が決定されました。展示会に関しては後藤総会長より開催について検討の要請を受け、リアル展示会から急遽Web展示会に切り替えることになりました。

 しかし現実には「東京国際フォーラムへの会場費は」「どのような内容にするのか」「出展社に何を還元するのか」「制作費は」等、様々な問題が未解決の状態であり、残された時間は1ヶ月しかない為、併行して制作することになり、学会のトップページからWeb展示会のバナーをクリックして入り、社名検索で各社のホームページに移動する方法で行いました。最終的にはWeb開催の影響で初の10,000人を超える登録者数を記録する事となりました。Web展示会も4,981人がアクセスされて、延べ5,005人を数えました。サイトの閲覧回数は6,566回、ページ閲覧数は43,719頁という結果でした。数字的にはリアル開催よりは遥かに多い登録者数でしたが、出展社からの感想は初めての事なので、判断基準の設定が不明、戸惑い等、ネガティブな反応が多かったようです。しかしながら今後の学会・展示会の開催方法のマイルストーンになったことは確かな学会であったと思われます。

第124回日本眼科学会総会 併設器械展示会

第124回日本眼科学会総会 ホームページ トップページ

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第31回日本緑内障学会

学会長: 大分大学 久保田 敏昭 教授
会場: ホテル日航大分オアシスタワー、勤労会館ソレイユ、iichiko総合文化センター⇒Web開催に変更
会期: 10月2日~4日(当初予定)⇒10月2日~4日(ライブ配信)11月5日~30日(オンデマンド配信)
出展:  出展社数31社、出展小間数59小間 ⇒ 展示会中止

 学会場はホテル日航大分オアシスタワー、勤労会館ソレイユ及びiichiko総合文化センターの3会場で開催される予定でした。
第31回日本緑内障学会は出展社数31社、出展小間数59小間でしたが、会場の都合もありiichiko総合文化センターの3フロアで分散展示となる為、スタンプラリーの実施を提案し、即決でご承諾を得ることが出来ました。また教授からも大分県の特産品のご提案も頂き、開催に対して意欲的な印象を受けました。しかし、大分県医療センターで新型コロナウイルスによるクラスターが発生し、その後、大分県内でも感染者が増えたため、第31回日本緑内障学会は全面的にWebでの開催になりました。プログラムによって2つの方式に分けられ、Live配信を当初の開催日程で、オンデマンド配信は11月5日~30日まで開催されました。
学会のWeb開催への変更に伴い、会場は不要となりリリースされ、展示会を実施するスペースも無くなりました。久保田教授もWeb展示会の開催は望まれなかった為、展示会は中止する事となりました。学会への最終登録者数は2,200人超と過去最多の人数でした。

第31回日本緑内障学会ポスター

第31回日本緑内障学会ポスター

iichiko総合文化センター

iichiko総合文化センター

第74回日本臨床眼科学会

学会長: 金沢大学 杉山 和久 教授
会場: 東京国際フォーラム、JPタワーホール&カンファレンス⇒Web開催に変更
会期:  10月15日~18日(当初予定)⇒11月5日~12月6日(オンデマンド配信)
出展: 出展小間数812小間と800小間 ⇒Web展示会に変更

 2019年7月1日、金沢大学を訪問し、ご挨拶及び打合せを行いました。杉山学会長よりホールB7は聴講者の入替で時間、安全性等色々と問題がある為、講演会場としてではなく、学術ポスター展示で3/4のスペース、器械展示の一部を1/4のスペースで活用できないか検討して欲しいとご相談を受けました。その後、日本臨床眼科学会の出展募集を行った結果、展示出展社86社、出展小間数812小間と800小間を超える申込みを頂き、ホールEだけでは収容できない小間数となりました。展示委員会で検討した結果、東京国際フォーラムで分散展示を行う場合、JPタワーホール&カンファレンスが候補としてあげられるが、参加者の誘導、移動距離等を考えるとホールB7にて分散展示を実施した方が良いとの結論になり、集客方法を検討し、準備を進めておりました。
しかしながら、新型コロナウイルスの感染は勢いを維持し、最終的に学会はオンデマンド形式のWeb開催となり、学会長より展示会も臨眼独自のWeb展示会を要望され、実施することになりました。そこで展示委員会では第124回日眼で行ったWeb展示会の反省やアンケートのご意見・ご要望を取り入れ、各社のページにアクセスしやすい様にロゴマークからの移動、出展社がページデザインを選択できる等変更対応し、日眼時よりアクセス数、ページ閲覧回数、視聴時間等すべてが約2倍になりました。学会登録者数も11,331人となり、日本臨床眼科学会において過去最多数でした。

第59回日本網膜硝子体学会総会

総会長: 鹿児島大学 坂本 泰二 教授
会場: 福岡国際会議場
会期: 11月27日~29日(リアル&ライブ配信のハイブリッド型式)
12月14日~28日(オンデマンド配信)
出展:  出展社数36社、出展小間数97小間

 2020年最後を飾る第59回日本網膜硝子体学会が福岡国際会議場で坂本総会長のもとハイブリッド型式及びオンデマンド配信という形式で開催されました。器械展示会はリアル展示会のみ実施され出展社数36社、出展小間数97小間を数えました。ハイブリッド型式の為、現地参加者数は通常開催の1/4程度と少なめですが、医療関係者や出展社の皆様は一年ぶりの再会を喜ぶ笑顔、やっと開催できたという安堵感が緊張感の中にも見てとることが出来ました。協会として学会と協議を重ねて、参加者の安全確保の為、多くの感染症対策を検討し、準備しました。例えば、会場への入場に際は「健康状態申告書」の提出を義務付け、各自検温、手指の消毒、マスクの着用、空間除菌機器の設置等々多くの対策で学会会期中、安心・安全のために慎重な対応をいたしました。学会は2,000人を超える登録者数でしたが、現地の参加者は400~500人程度でした。しかし、第59回日本網膜硝子体学会併設展示会のリアル開催は、2021年の各学会併設展示会開催への確実な足掛かりになったのではないでしょうか。

2021年の学会予定

第125回日本眼科学会総会

会期: 4月8日~11日
総会長: 関西医科大学 高橋 寛二 先生
会場: 大阪国際会議場

第32回日本緑内障学会

会期: 9月10日~12日
総会長: 東京大学 相原 一 先生
会場: 国立京都国際会館

第75回日本臨床眼科学会

会期: 10月28日~31日
総会長: 鹿児島大学 坂本 泰二 先生
会場: 福岡国際会議場、マリンメッセ福岡A館

第60回日本網膜硝子体学会

会期: 12月3日~5日
総会長: 東京女子医科大学 飯田 知弘 先生
会場: 東京国際フォーラム