眼医器協ニュースVol.111
学会を終えて
第63回日本網膜硝子体学会総会
会長 日下俊次
(近畿大学医学部眼科学教室教授)
2024年12月6日(金)から8日(日)の3日間、大阪市の大阪国際会議場にて第63回日本網膜硝子体学会総会を開催させて頂きました。今回はweb配信なし、現地参加のみという従来の学会のスタイルに戻しましたが、約1,600名の多くの参加者を得て、盛会裡に学会を終了することができました。これもひとえに皆様方のご支援とご協力の賜物であり、心より感謝申し上げます。
ご存知の通り、現在、網膜硝子体分野は眼科領域の中で最も”hot”な領域です。数々の新規治療法や技術革新がこの分野にあることが大きいと思います。このような背景の中、今回の学会では一般講演以外に恒例の盛賞受賞講演、田野Young Investigator’s Award 受賞講演に加えて5つのシンポジウム、2つの教育セミナーを企画しました。また、今回の特徴として海外からの参加者が多いことが挙げられます。Keynote lecturerとして4名の海外からの講師を招聘し、それに関連するシンポジウムや英語発表の優秀演題シンポジウムもあり、初日の第一会場は発表の8割以上が英語となりました。英語が苦手な先生には違和感があったかも知れませんが、特に若手の先生は英語を流暢にしゃべる方が多く、海外演者との討論も盛んで、今後の日本人眼科医のプレゼンス向上が大いに期待できそうです。
網膜硝子体領域の医療機器としてはOCT, OCT angiography、超広角眼底カメラを始めとする画像技術の進歩、AIを活用した検査機器の実用化、遺伝子治療の実用化とそれに関連する機器の開発、より安全で安定した手術が行える硝子体手術装置、白内障手術装置、OCTなどの機能が付与された顕微鏡、その他の手術関連小物の開発など、最近のこの分野の医療機器の進歩は枚挙にいとまがありません。
このような中、器械展示は網膜硝子体学会の中でも極めて重要なものです。実際の展示機器を見て、担当者の説明を聞くことはユーザーである医師、看護師、視能訓練士にとって貴重な機会です。私が訪れた折には多くの先生方、関係者が各社ブースを熱心に回られていたようで、器械展示場は常に混雑している印象を受けました。また、おもてなしとしてご用意頂いた飲み物、大阪名物のお菓子(近大の医局員がチョイスさせて頂きました)も大変好評で、この点についても参加者からお褒め頂きました。機械展示を盛り上げていただきました日本眼科医療機器協会と関連企業の皆様方に改めて厚く御礼申し上げます。
本来であれば皆様方に直接御礼を申し上げるところではございますが、ホームページ上にて学会終了の報告と御礼とさせていただきます。今度とも日本網膜硝子体学会をご支援賜りますようお願い申し上げます。