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15 トピックスD 眼圧単位mmHgの表示が危ない!  「眼圧は10〜21mmHgの範囲内ですから、大丈夫ですよ」と 患者さんにお話しするように、眼科医にとって眼圧は診断の重要 なデータ。ところが、この「mmHg」という単位が、平成25年9月 末で使えなくなるかもしれません。  実は、平成4年5月20日の「計量法」の全面改正において、 「mmHgは、今後torr(トル)あるいは、Pa(パスカル)を使用す る」よう定められたのです。  単位が変わるとどうなるでしょうか?  このように、眼圧の変化を「コンマ以下」の数値で見分けなけ ればいけないこととなります。  平成4年当時、この問題に気が付いた日本医用光学機器工業 会が、社団法人 日本眼科医会、財団法人 日本眼科学会、日本医 療機器関係団体協議会(現日本医療機器産業連合会)に問題 提起。日本眼科医療機器協会も問題を重視し、ともにさまざま な活動を展開した結果、平成18年9月末まで、mmHg単位の継 続使用が認められました。さらに平成18年9月末の期限が近づ いたときに、再度各団体が活動した結果、平成25年9月末まで の猶予期限延長が認められ、現在に至っています。  中途失明の原因の第一位は、「緑内障」です。痛みもなく静か に進行するこの疾病の判断は眼圧の数値によって行われます。 患者さんも眼圧単位の上下に一喜一憂し、自らの健康の尺度に されています。このように、重要な指針である眼圧の単位が変わ ることは、医療現場に混乱をもたらし、医療安全の側面からみて 大きな問題があると思われます。  眼圧計の国際規格(I SO)では、単位は「mmHg」。日本だけ単 位を変えることは、研究成果の発表などで支障をきたし、また、 眼圧計を製造している国内外のメーカーに大きな負担を強いる ものとなるでしょう。  平成23年、日本眼科医療機器協会は、公益社団法人 日本眼 科医会・財団法人 日本眼科学会に対し、平成25年9月に計量法 の猶予期限切れが迫っていることをお伝えし、眼圧表示単位の mmHg永久使用に向けた活動を開始しました。  平成24年5月に公益社団法人 日本眼科医会・財団法人 日本 眼科学会とともに、日本医用光学機器工業会・日本眼科医療機 器協会は、厚生労働省と、計量法を主幹する経済産業省を訪問 し「眼圧の計量単位に関する要望書」を提出しました。  また、医機連を通じ、眼圧計以外において同様な問題が発生 する医療機器の団体とともに、活動を行っています。  最終的には、血圧単位(mmHg)と同様に永久使用が認めら れるか、再々度の猶予期限延長になるか現時点では不明です が、引き続き活動を行いますので、皆様のご理解ご支援をよろし くお願い申し上げます。 mmHgの永久使用を求めて 平成25年10月から単位が変わる? 眼圧計の国際規格も「mmHg」 血圧と同じように「mmHg」の永久使用を 猶予期間延長の働きかけにより 眼圧単位は、医療の安全確保の基礎 1mmHg=0.1333kPa つまり 21mmHg=2.7993kPa 22mmHg=2.9326kPa この差を見分け なければならない! ↓